学習法のコツを伝授 「なぜ・どうして」が先行する学び方
この記事を書いた人:宗形
ジーニアス講師の宗形です(^^)/
CONTENTS
◎はじめに
本日は、全学年に共通する効率的な学習法の1つを伝授いたします。
中々成績が上がらない生徒、勉強の仕方が分からない生徒に向けた内容となっております。
保護者様もぜひ、ご一読いただけますと幸いです。
◎成績が伸びない原因とは
皆さんにとって、勉強とはどのようなものでしょうか。
生徒に聞くと以下のような返答があります。
・つまらない
・時間がかかって好きなことができない
・やる意味が分からない
ものの見事にマイナスイメージばかりですね・・・。
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大学時代に外国の友人に聞いた話ですが、日本の生徒にはある共通点があるそうです。
彼女はこう言っていました。
「日本の生徒って、先生が言っていること鵜呑みにしすぎだよね。信じすぎ。先生だって間違っているかもしれないのに。」
その時は、自身が勉強を教える立場になるとは考えていませんでしたので、あまり深く受け止めることはありませんでした。
しかし、塾講師となった今その言葉を思い返してみると、「なるほどな。」と腑に落ちてしまったのです。
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彼女の言葉を私なりに解釈すると、
①授業中、自分で頭を使って考える生徒が少ない。
②教科書に書いてある内容に「なぜ?」「どうして?」と疑問を抱かない。
③聞いたことをそのまま「覚える」ことに注力してしまう。
これが、学習をつまらなくさせている原因なんだと気づきました。
上記の解釈についてもう少し深堀してみようと思います。
〇原因その① 「授業中、頭を使って考える生徒が少ない。」
これは、よく中学生に見られるものです。
教科書の内容を覚えることや板書を取ることに必死になってしまい、授業中の先生の話に耳を傾けられない生徒が一定数います。
特に板書をとっている間は、手を動かして文字を書いているため、「頭で考える」という動作が一旦ストップしてしまいます。
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ここでいう「頭で考える」とは、なぜその答えになるのか、なぜその公式が成り立つのかと疑問を抱くことを指します。
例えば、「3÷0」という式は、数学的に成り立たないとされています。なぜでしょう。
これは、中学1年時に習うことですが、おそらく理由を正確に説明できる中学生は少ないでしょう。
例を挙げると、「3個のクッキーがあります。これを0人で分けると、1人あたり何個になるでしょうか。」
と問うているのと同義です。
人がそもそもいないのに、「1人あたり」とはおかしな話ですね。
なぜかを考えずにただ覚えることは、理由も分からないルールを暗記するに他ならないのです。
なぜ、そのルールが生まれたのか、その経緯や理由も踏まえて「理解」することが真の学習だと考えます。
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私感ですが、授業中に大切なものをランキング付するならば
1⃣先生の話を聞くこと
2⃣生徒から質問をすること
3⃣板書をとること
4⃣教科書・テキストの内容を熟読すること
このようになります。
つまり、先生の話を聞いて「なるほど」「なんでそうなるの」と感想・疑問を抱けるまで自分で考えることが大切なのです。
感想・疑問を抱かず、ひたすら板書をとってひたすら問題を解く動作は確かに「つまらない」でしょう。
〇原因その② 「教科書に書いてある内容に疑問を抱かない」
教科書に書いてある内容は本当に正しいのでしょうか。
教科書にびっちりマーカーを引いて、ひたすら書いてあることを覚えることも学習と言えるでしょう。
しかし、教科書の内容を熟読すると、「これって違うと思うんだけど」「なんでこうなるのか理解できない」
と疑問点が生まれてくるはずなのです。
その疑問は、得てして生徒が誤解をしていることが多いですが、その誤解を正す過程がぐんと成績を上げるのに必要なのです。
今一度教科書を熟読してみてください。
うまく呑み込めない部分が必ずあるはずです。
その部分を、先生に「なんでこうなるの?」「こうじゃないの?」と質問することで、理解力は深くなっていきます。
実は、今年の高校生用の教科書に大きな誤りがありました。
地図上の地名や名称が1000箇所以上間違っていたのです。
今は訂正されて、正しい内容のものとなっていますが、教科書は正しいからとそのまま覚えてしまったら、、、ゾッとしますね。
〇原因その③ 「聞いたことをそのまま覚えることに注力してしまう」
これも原因その②とあまり変わりませんが、疑問を抱くことが大切です。
先生が言っていることをそのまま受け取る、のでは「受動的な学習」です。
完全理解できるまで質問したり、自分なりにかみ砕いて理解しようとしたり・・・
「能動的な学習」を経て、学力は伸びていきます。
◎学習を楽しく行うためには
上記から、学習を楽しく行っていくためには
・なるべく先生の話に耳を傾け、「なるほど」「なんで?」と感想・疑問を抱く
・教科書を読んだり、問題を解いたりする過程で出てくる疑問を質問することで解決していく
・聞いたことをただ覚える「受動的な学習」ではなく、自分なりの完全理解を目指す「能動的な学習」を心掛ける。
これらが必要であると考えます。
◎これからどのように学習法を確立していくか
今までの学習法を一気に変えることは難しいと思います。
そこで「頭で考える」を実践するために1番効率的な方法があります。
それは、「授業後、先生に聞きたい質問を1つ考える」ことです。
先生は、一度の授業で完全理解させることが目標ですが、それが実現できることは多くありません。
分からないことは必ず出てきますし、それは恥ずかしいことではありません。
自分で考えることは自身を成長させるものですが、一方で自分で解決できないと時間がかかってしまいます。
それをすぐ解消できるのが、「質問する」ことなのです。
なんでも構いません。自分のした質問に対して、先生と少しお話しをしてみてください。
授業を、「映画」や「劇」のように鑑賞するものにしないことが大切なのです。
授業は、先生が生徒に対して一方的に知識を植え付ける場ではありません。
「なぜ?」「なんで?」と先生の言葉に対して疑問を持ち、それを先生と議論をすることこそが必要なのです。
私は、普段の授業で必ず「なんでだと思う?」「これの意味わかる?」と質問を生徒に投げかけるようにしています。
生徒にとっては、指される緊張感はあまり好きではないかもしれません。
しかし、その場で「なんでだろう」「こういうことかな」と考えることこそが、真の学習です。
考える楽しさを感じられたとき、学習はつまらないものではなくなっているはずです。